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横浜遊学記



33:Every single student has its color.

33:Every single student has its color._e0026795_22484720.jpg今日から塾に復帰しました。ひとり目の生徒は中学受験算数。志望校が偏差値65以上あるので、一時間前に入ってしっかり予習。どうやら最近スランプ気味の子らしく、その辺もよろしくお願いしますと言われる。

いざ授業が始まると、やっぱり声が小さい。家や学校で何があって自信を失ったのかは分からないけど、他人に評価されるのをひどく恐れてる感じ。間違えた答えを言うのが怖いから質問に答える声が小さい。

仕入れ値と定価と利益の関係や、最大公約数と最小公倍数の求め方の公式など、基礎的な問題も解法がすぐに思い出せないこともあったけれど、基礎的な計算力と思考力があることがすぐに分かったのでその辺を褒める。

「えっ?もう計算終わっちゃったの?」
「あ!気づくの速いね。今からヒント出そうと思ってたのになぁ。」
べたべたに"凄い凄い"って言うよりも説得力が出るようにさりげなく、何度もいいところを指摘する。やたら喋り、自分をへりくだらせる先生に警戒心が薄れたのか後半からは少しずつ声も大きくなってきて、最後の方では自ら黒板で問題の解説をしてくれるほどに自信を取り戻したよう。

「久しぶりにあの子の笑顔見ましたよ。」
授業が終わった後で担任の社員の先生に言われる。うん、そりゃあだって僕の方が笑ってたからあの空気で笑わない方が不自然だろうなぁ。初回とは言え少し進むペースは遅かったかもしれない。

でも、きっとやる気が出れば宿題もかなりこなせる子だと感じたので、今は「間違えることへの恐怖感」と取り払って「算数が好きな気持ち」を思い出してもらうのが一番大事。あの子が家に帰ってからお母さんに話す言葉が知りたいな。きっとホンネの感想だろうから。

無口な子。おしゃべりな子。色々いるけど、信頼できるなって感じる子には何故か言葉で多くを語らない子が多い気がする。言葉で伝え切れなかったと思うことを非言語なコミュニケーション手段で訴えようって気持ちが強くて、そんなメッセージを無意識に受け取ってるのからかもしれないな。

心が通じたなぁって感じる瞬間も、そんな子との間に多くある気がする。もちろんそれは僕の勘違いかもしれないし、あるいは言葉が少ないのは自分の内面により深く意識が届いているからで、そのお陰で深い気持ちのやり取りが出来るのかもしれない。

でもなんか世の中って、やっぱり自己表現の上手な人に有利なんだよね。なんていうか、時間をかけなきゃ見えてこない魅力とか個性とかって、発掘までに時間がかかったりするし。

不器用なことに対する歯痒さって凄く分かるから、そんな自分を大事にする手伝いを少しでも出来ていたらなと、こんなタイプの子に出会うと強く思う。
by yokohama-yugakuki | 2005-10-11 23:19 | ①Diary
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