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横浜遊学記



62:横浜トリエンナーレ2005

62:横浜トリエンナーレ2005_e0026795_2143344.jpg普段あんまり芸術といわれるものに触れる機会のない、特に”現代美術”とか言われるともう何万光年も遠くの世界のように感じる僕ですが、今日は現代美術展に足を運びました。自主的というかむしろ誘われてですが。

結論から書くと、とても楽しめました。

普段僕達は、随分と加工されたメッセージを受け取ってる気がします。ヒット曲、小説やテレビと言われるものは、不特定多数の人にわかる言語やメカニズムを駆使して訴えてくる。言い換えれば、こちらが”理解しよう”と努力しなくてもある程度”分からせてくれる”。

つまり、こっちが歩み寄るというよりも向こうが歩み寄ってきてくれる状況に随分と慣れている気がします。

それって一見とても親切なように思われるけど、その実解釈の幅が狭まってしまっていて窮屈なんじゃなかなと思いました。短いタイトルと、謎解きにも思える作品の素材の組み合わせ。すぐには意味を汲み取ることが出来ないけど、作った人が何を言いたいのか(ひょっとしたら何にもないのかもしれないですけど)を頭をフル回転して考える。新しい快感です。

自分なりの答えを胸に次の作品に移る。答え合わせなんて出来ないから正しいか分からないし、逆にどれだけ多くの解釈を生むことができるのかがその作品の価値のようにも思われました。

62:横浜トリエンナーレ2005_e0026795_2281162.jpgこの美術展は二回目だそうなんですが、テーマの一つにインタラクティブ性があるらしく、参加型の作品が多かったのも初心者(?)には優しかったように思います。

大きなクッションが敷き詰められた部屋ではなぜかビールが売られていました。中にはいちゃついてるカップルや、はしゃぎまわる子供。そしてそれを見て微笑む老夫妻。そんな光景すら作品の一部。自分でギター作る作品楽しかった。

天井から50個くらいのiPodが紐で吊り下げられて、ピーという高い音を出しながら不気味に揺れている風景は圧巻。いろいろ考えましたが、多分そんな光景を作りたいだけだったんじゃないかと思います。その光景をみて、「ざっと見積もって200万かぁ、芸術ってお金がかかるのねー」なんて思ってしまう僕はやっぱりアーティストにはなれないんだろうなー。

一番考えさせられたのは、何もない空間に向けられた複数のデジカメと携帯の画面が、延々とあたかもそこに人が活動しているかのように映像を流していた作品。今見えている世界を全てと思って生きてるけど、きっと僕達には見えない世界があるんだよね。

この前だれかと話してた、人が知覚出来る色の種類は3種類しかないって話を思い出す。僕達は自分たちのことを霊長類と名付けてあたかも世界の頂点にいるかのように振る舞うけど、もしかしたら昆虫の方が鮮やかな世界を見てるのかもしれないし。笑顔で握手しながら、机の下では足を蹴り合うような複雑な関係に捉われてる人間をみてため息ついてるかもしれないしねー。

なかには行列の出来る作品もありました。その中の一つが、光るブランコ(場内は撮影禁止なので、ここで見せられないのが残念です)。小さい子供も、おばあちゃんも、なぜかブランコに乗ってる人で笑ってない人はいないんですよね。

横浜近辺にお住まいの方で、興味のある方は是非。チケット売り場も笑えるデザインです。
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by yokohama-yugakuki | 2005-10-31 03:09 | ①Diary
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