最初のページをめくって、度肝を抜かれた。「あなたはこれから"薔薇"という漢字を覚え、そして一生忘れません」。半信半疑で試してみると…おぉ!ほんとに書けるようになった。
本の内容を要約すると以下の通り。
・人間は五感で認知したものは全て記憶している
・重要なのは記憶することよりも、思い出すこと
・想起の基本は「一番難しいところだけを覚えること」
何が画期的かというと、"記憶する技術"というよりも、"如何にして効果的に想起するか"に焦点を絞ったところかな。ようるすに、ヘンデルとグレーテルの童話にあったように、自分達が歩いてきた道にパンくずを落としていくのと同じ。覚える手順がきちんとしていれば、思い出すときもはっきりと思い出せるというのがいわゆる"津川式"ということらしい。
この人、いろんなマスコミに声をかけられて無茶なノルマを達成させられてきていて(漢字が全く出来ない子が、一日で小学5年生の常用漢字200近くを暗記するとか、お笑い芸人に15分勉強を教えて、慶應大学の学生にテストで勝たせるとか)、そのエピソードだけでもなかなか面白い。
英単語に至っては、理論上一日で8,000近く覚えることが出来るのだとか(24時間無休で学習したらという仮定だけれど)。実際の理論の説明は最小限にとどめて、とにかく試してくださいよ!と言わんばかりに実例がひたすら載ってるのも好印象。立ち読みでも読みきれちゃうかも。
*「世界最速「超」記憶法/津川博義」講談社 ¥838