先日徹子の部屋で、肩甲骨体操で有名な斉藤孝先生がゲストとしてお話されていました。一番興味を引かれたのは、小学生を相手にして夏目漱石のぼっちゃんを一緒に音読して読破したという話。6時間かかったそうです。その中で、途中に一旦疲れてしまうのだけど、それでも続けているとエネルギーの穴(?)のようなものが開いてきて逆に元気になるという現象が起こるのだそうです。6時間の音読を終えた子供達は異様なハイテンションになっていたそうです。
私が就職活動中に"穴が開く感覚"を覚えたのがP&G主催のGLOBAL BISUINESS SCHOOLという二日間の短いインターンシップでした。1500人のうち46人が選ばれて、7~8人のチームを作ってMarketingやFinance等というファンクションの役割を体験するというもの。
参加していた人たちの内定先はB・C・G,Goldman Sax,電通,フジテレビなど、いわゆる難関というわれる企業でした。それ故に、グループワークでの議論はスピード感があり、なおかつとても重いものでした。夜は原則仕事禁止となっていましたが、おそらく誰一人守っていなかったと思います。会議室で、ホテルの部屋で、与えられた課題に関して二日間ぶっ続けて議論を重ねました。
最初の方は、集まったメンバーの頭の回転の速さと自信に満ちた語り口に正直たじたじでした。グループワークが始まって3時間程度経ったところですっかりくったりしてしまいました。しかし、選考なので疲れて脱落というわけにもいきません。一旦会議室を出て、ホテルの一室に集まって議論続行。ついに逃れる術がないと覚悟をくくって正面からぶつかり続けていくうちに、なぜか体と頭が軽くなっていく感覚に襲われました。それまで溜まっていた疲労が、心地よいだるさになって集中力が増してくる感じです。短距離を全力で走った後に溜まった乳酸が分解されていくような感じです。
その勢いで二日目に突入し、奇跡的に何度か議論を動かすようなシーンも生まれ、選考は突破することができました。ほぼ20時間近くぶっ続けで議論しているはずなのに、眠いとか疲れたとかいう感覚ではなくひたすら心地よいだるさ。何か大きなエネルギーが体を通り抜けていった感じです。
これから社会に出て、様々な競争の中で勝ち抜いていくにはこの高い集中力を生むための"スイッチ"のようなものを意識的に入れる必要があるなと感じました。そのために必要なのは、目の前の状況を全て受け止めて、自分の出来ることに集中し続ける力かなと。
班メンバーからは「お前が一番元気だったのは最後のパーティーのときだった」と言われましたが。