横浜遊学記



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6:反射的な記憶想起の集合が才能を創る

e0026795_5253770.jpg同期の中の一人に、2006年度の就職活動生の間でのちょっとした有名人がいます。彼は金融から出版まで9社のインターンを受け、様々なインターンにおいて優勝もしくは最優秀賞を獲得しています。本の出版から勉強会まで、就職活動にかかわるおおよそ全ての仕事に関わっていると思われる活動的な人です。先日そんな彼と二人で話す機会が持てたので、以前から気になっていた「優秀さはいかにして創られるのか?」という題目について彼の見解を聞きました。色々な事柄について話したので結局この話を聞けたのは最後の30分程度でしたが、彼は独自の考え方と方法論をもってして努力しているということが分かり、いくつか発見もありました。彼独自の読書術についても聞きました。

結論から言うと、タイトルの通りです。学習内容の短期記憶を繰り返して記憶の想起速度を上げ、反応しているといえる位の速度まで到達した時に他の人には出せない価値が出せるようになるとのこと。新しく覚えた知識や経験から得た知識を、身体に染み込むレベルまで理解して消化させることで、あらゆる状況下で必要な思考・行動がとれるようになると彼は言っていました。もっと言えば、頭で考えるというよりも体が反応するというレベルで最適な思考や行動がとれるようになるのだそうです。知的作業を、スポーツ選手の身体感覚をもって実践すると行った感じでしょうか。

彼は読書などに代表されるインプットの作業の量も非常に多いのですが、それと同じくらいのアウトプットの場も積極的に作っているようでした。9社も受けたインターンもそうですし本の出版や勉強会の主催を通して自分の中にあるものを外に出して使う感覚を磨いていってるのではないかと思いました。インプットとアウトプットの高速化が身体感覚的な知性の使い方を形作るのでしょうか。

一日に一冊読むというのが、彼の読書のペースだったそうです。それも、詩集や雑誌のような薄い本ではなく、300ページもあるようなビジネス書です。そのときに気をつけていたのは、「キーワードで読むこと」と「一回で分かろうとしないこと」。大切な考え方というのは、何冊かの本で何回も登場するので、その考え方を集約させたキーワードをつかむことと、一冊から完璧な知識を得ようとせずにそのキーワードや考え方を幾冊もの本から多角的に捕らえることだそうです。例えるなら湯葉を作る工程において薄い膜を幾度となく折り返して重ねていく作業でしょうか。とにかく、覚えようなどとは考えずにひたすら量をこなしたそうです。スピードを持って読むことで、思い出すスピードも速くなる感覚があるそうです。頭脳の働きも肉体の働きと同じようなメカニズムで進歩するという仮説。

*イラスト「大脳皮質の介在細胞を中心とした局所神経回路の模式図」

 
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by yokohama-yugakuki | 2005-07-29 06:15 | ⑤Study

5:エチゼンクラゲと中華料理

e0026795_1756069.jpg日本海域沿岸で、エチゼンクラゲが大量発生してニュースになっていますね。この種類のクラゲは大きい個体だと200Kgにも達するそうで、多く定置網にかかると網が上がらず切断せざるを得ない状況になるそうです。加えて触手には毒素があるために、一緒に網にかかった他の魚介類を殺してしまったり皮膚を傷めてしまうために商品価値を下げてしまうのだそうです。テレビで取材を受けていた漁師さんたちも落胆の色を隠せない様子でした。

テレビの報道はここまでで終わっていたのですが、大量に発生しているということを利用してなにかビジネスが出来ないかなと思ったので、Webで5分ほど調べてみました。すると、発見しました有力な利用方法。なんと、中華料理には高級食材として利用される食用クラゲの一種だったのです。昨年、エチゼンクラゲの大量発生に悩まされてクラゲアイスやクラゲ寿司といった新商品を開発して懐を潤した食堂のニュースも発見することが出来ました(本業の漁で得られるはずだった収入からすれば焼け石に水なのは目に見えていますが…)。しかもかなり好評だったとか。

素人頭に考えると、「じゃあ、クラゲ一杯捕って売ればいいじゃん!」となるのですが、加工方法がかなり特殊らしく、捕獲量が毎年一定でないエチゼンクラゲのために多額の設備投資をすることには二の足を踏んでしまうという状況なのだそうです。確かに、すでに文字通りの美味しい思いしてるのなら(美味い解決策があるのなら)ニュースになんかならないはずですからね。

ではこの現象がどのくらいの頻度で起こりうるのかまた起こってきたのかを予想するために大量発生の原因を調べてみました。おおまかに分析すると以下の通りなのだそうです。

1.海の富栄養化によってクラゲの餌(プランクトン)が増大
2.乱獲によって魚が減少。さらにプランクトンが余る
3.水温の上昇でクラゲが越冬可能(クラゲの寿命は2年ぐらいらしい)
4.海岸線の改修工事によりポリプの付着面積と生残率が増大

4.のみは一時的な要因ですが、1.~3.の要因については我々の消費活動パターンが大きく変化しない限りはほぼ恒久的に与え続けられる海に対する影響ですよね。つまりは、これからも非常に高い確率で同じ様な問題が起こると考えられるわけです。

e0026795_20551100.jpg漁業に携わる人たちにとっては今までの生業の形を大きく変えることは非常にリスキーだと思います。上に記述されている原因だって、100%正しいわけではありませんし、まだまだ解明されていない原因が潜んでいるかもしれません。でも、クラゲは大量発生しているし、それはうまく加工すれば高級食材として高値で売却できるわけですよね。痛い状況を一変させるような方法があるはずです。

"(株)エチゼンクラゲ"という会社を立ち上げて、海岸線沿いの港町でクラゲを買い取って回って自社の設備で食材に加工する会社を立ち上げるというのはどうでしょうか。猟師の人たちにとってみれば、①設備投資というリスクをしょわずに②エチゼンクラゲを資産化できる…というとってもオイシイ提案です。①普段よりもダメージが大きい定置網に対する保障金②海域ごとのブランド化…などもサービスに取り入れたら喜ばれるのではないかな、なんて。加工したものを逆に港町に卸して、エチゼンクラゲ料理の材料として利用してもらうのもいいかもしれません。

その年の気候とか他国の漁業活動の盛んさに大きく左右される仕事であることは間違いないため、不安定な収入源を安定させるために、エチゼンクラゲを徹底的に研究して情報提供するサービスとかも良いかもしれません。「今年は**の海域にエチゼンクラゲが大量発生する可能性が高い」「**海域のエチゼンクラゲは非常に高値で取引されています」とか。エチゼンクラゲさん、なんか邪魔者のように扱われていますが、これから長い付き合いになる可能性も否定しきれないならば徹底的に付き合い方を考える必要もあるかなと思います。すでにこんな会社があったりして。

個人的にはクラゲよりきくらげの方が好きです。

*写真1「ぎをん森幸」の「黒米のおこげの五目あんかけ」
*写真2「漁業調査船 蒼鷹丸」
*参考Website「ASHINOKO ONLINE」
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by yokohama-yugakuki | 2005-07-25 18:33 | ⑥Issue

4:Sunrise-Izumo

e0026795_18334695.jpg地元から横浜に来たときに乗車した特急の名前です。生まれ育った地から横浜までは1000㎞近くあるため、寝台特急でした。8時間以上かかるので、夜に地元の駅を出て朝方目を覚ましたら横浜に到着する計算です。本当は興奮してよく眠れなかったので、少しずつ賑わいを増していく窓の外の風景を明け方からずっと眺めていました。

寝台特急の中では、地元の友達に”いってきます”のメールを送る作業に没頭していました。

「横浜という国際都市で、多様な異文化と触れ合いながら経営学という学問を体系的に学んで、企業の発展・ひいては日本経済の発展に貢献できるBuisiness Personになるためです」

就職活動中に大学と学部を選んだ理由を聞かれたときの大まかな回答。でも高校生の時は間違いなく横浜って言葉の響きの魅力が大きかった気がします。もちろん、お金儲け…というか企業の攻防戦にはずっと興味はありました。父が研究者として生きている姿を垣間見ながら、自分の働きに対してもっとダイレクトに世の中が動いてくれるような仕事に携わりたいと思っていた気がします。

大学には思った以上に外国国籍の学生が多かったし、サークルの活動を通して幅広い国の学生と議論する機会が持てたから、多様な異文化と触れあうという目標は多少達成されたのかもしれない。少なくとも、抵抗感や偏見はまったく消えました。僕が出会った外国籍の人たちのなかには日本人以上に礼儀を重んじる人もいたし、同世代の学生とはやっぱり(?)下ネタで盛り上がったり。学生のうちに損得の関係がない状態で触れ合えたことは、社会人になってから彼らとビジネス上の関係を築くときにも間接的にプラスに働くんじゃないかと期待していたり。

ひょんな縁からみなとみらいのクィーンズスクエアでのイベントに歌手として出演させてもらったり、世界一のディベーターに来日を依頼したり。高校生の時に好きだった、音楽と英語という教科で学んだことを実践する場を思いがけず持てたのは嬉しかった。

家族・友人・恋人・基金と、いろんなところから精神的・金銭的な援助を受けながら過ごした4年間で見つけた可能性の欠片を、しっかりと世の中に対する価値として具現化することが社会人として改めて世に出るときの使命だってことを忘れないようにしなきゃと思います。

最近遊んでばかりだった自分に対する戒めの意味も込めて4年前を振り返りました。

*写真は、夜の横浜駅西口を高島屋から臨んだ風景
 
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by yokohama-yugakuki | 2005-07-22 19:42 | ⑦Identity

3:豊か過ぎる時代に生きる代償

e0026795_22575879.jpg今日は美容院でシャンプーについての話を聞いてきました。僕は来年から家庭用消費財メーカーに勤めるとこになっているのですが、会社に所属している身分で資本主義社会において正義を貫くのは本当に難しいだろうなと想像するに難くなかったです。いやそもそも、資本主義社会においての正義は"より大きな利益をあげること"ですが。
 
仕事を始めて1年・2年と経っていったときに今日考えたことをちゃんと覚えていられるかな。求める理想と、自分が追い求めなければならないもののギャップに悩むことが、資本主義社会にPlayerとして存在する者の義務なのかもしれませんね。

いつもお世話になっている美容院では、天然素材をベースに排水したとき自然分解される物質のみを使って製造されたシャンプーを使っているそうです。500ml(だいたいみなさんのバスルームにあるサイズです)で1500円と高額なのですが、グループの代表の意向でシャンプーはすべてそのタイプのもので統一されているそうです。

なぜこんなに高額かというと(ドラッグストアで買えば1/5~1/3程度の値段で代替できる商品がありますよね)、製造過程において、大量生産を可能にした魔法の素材である"石油"を一切使用してないからだそうです。そもそも①人間の髪と油脂成分の相性はあまりよくないらしく、洗うこと自体が髪にとっては負担なのだそうです。(シャンプーは頭皮の汚れを落とすためにあるのに、髪の毛そのものを洗うためにあると誤解している方が多いとも聞きました。)

上の事実を考慮したうえで、実際にどれくらいの頻度で髪(頭?)を洗えばいいのかと聞きました。すると②「3日に一回も洗えば十分じゃないかな」という答え。

①や②といった事実を積極的にマスに対してコミュニケートする企業はおそらくないでしょう。企業が"売り上げを伸ばす"という目標を持って活動しているという前提ならば、マスに対してコミュニケートすることが優先される事柄はもっとたくさんあるはずだし、企業が持つコミュニケーションの目的は"正しいことを伝えること"ではないからですね。企業が消費者に対して啓蒙を行うときとは、
1.自社商品に関するポジティブキャンペーン
2.競合商品に対するネガティブキャンペーン
…のどちらかしかありませんよね。
 
企業としては、できる限り安く作ったものをできるだけたくさん売りたい。
すごくシンプルな行動原理。
そして僕達も、出来るだけ良いものを安く買いたいと思っている。
こっちもすごくシンプルな行動原理。

その二つの意図が市場で出会う時にいろんなものが見えなくなる。きっとかつてないくらいに多くの選択肢を与えられながら、実は目の前に用意されたその選択肢の中に真にベストって答えは無いような感覚に囚われます。僕らが自分達に都合の良いものを選び続ける限りそこに選択肢は生まれ続けるけれど、僕らが資本主義社会における消費者という名の王座に座り続ける続けるかぎりは、本当のことを知るってことがひどく難しくなってるって自覚していなければなと思いました。都合の悪い話は耳に入ってこない。さながら裸の王様です。
 
この情報の非対称性こそが僕達の支払っている代償だと思います。だって選択肢が一つしかなかったら、嘘をつく必要も安さを求める必要もないですからね。だからといって市場が寡占または独占された状態だということは何も保障してくれませんが。倫理的な正しさと資本主義の正義をどこまで調和させられるのか。

授業でやったケースの中にあった、調味料の口の穴の数を少しずつ増やすことで売り上げを伸ばした食品メーカーとか、練り歯磨きの消費量が減るから小さなヘッドの歯ブラシを出せなかった大手消費財メーカーの話を思い出しました。でも実のところ、そんな生き馬の目を抜くような競争の世界に惹かれてる部分もあったり。
 
1年後、日常生活で消費者と企業人の二役をこなしながら僕は矛盾に悩むのでしょう。

*写真「東京証券取引所」

 
 
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by yokohama-yugakuki | 2005-07-21 01:31 | ⑥Issue

2:A forget-me-not

 勿忘草。

 一九世紀のパリでは恋人への贈り物にしたそうです。
 1871年に普仏戦争が終わるまで、この世紀は確かフランスにとって争いの時代。
 きっとたくさんの人がこの花に言い尽くせない思いを込めたのかもしれない。
 その辺からこの感傷的な名前がきてるのかな。
 
 数回しか会ってないのに、何故か忘れられない人っていますよね。
 もう何年も会ってないのに、ふとした瞬間に思い出してしまう…みたいな。

 僕にとってのそんな存在とは、
 最後に電話してからもうかれこれ1年が過ぎたました。
 きっと気まぐれな彼女にとっては、
 1年間なんて3連休程度の感覚なのかもしれないけれど。

 生まれも育ちも興味の対象も、
 ありえないくらい重ならなかったけれど、
 その奔放な生きかたにきっと惹かれたのかもしれない。

 しがらみとか生い立ちとか、
 びっくりするぐらいいろんなものに縛られながら、
 華奢な腕で精一杯抗う姿に惹かれたのかもしれない。

 でも華奢なのは見かけだけだって気づくのに、
 そう時間はかかりませんでした。
 単身中東に乗り込んで取材するって聞いたときは、
 さすがに心配したけれど。

 そんな彼女が描いてくれた花の絵が、
 まだ部屋に飾ってあります。
 未完成のまま色を入れられるのを待っている三輪の白いボタン。

 僕はまた大きく息をついて、
 書き込みで汚れた教科書と向かい合います。
 
 わずかな角度をつけた二つの直線が、
 もう一度交わることを祈って。
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by yokohama-yugakuki | 2005-07-18 22:52 | ⑦Identity

1:占い師が必要とされる理由について

e0026795_22373758.jpg今日はなぜ占い師が世の中に必要とされるのかについて考えてみます。結論から書くと、その答えのひとつには「仮説を与えてくれるから」というものがあると思います。

"悩んでいる"または"迷っている"状態というのは、言い換えれば"判断材料が十分に整理整頓されていない状態"だと思います。自分の行動や考えの根拠を理路整然と説明できる人は、少なくとも"私はどうしたらいいのでしょうか?"という状態には陥らないはずです。

考えるという行為は、ある程度の方向性(仮説)を持って行わないと効率的に出来ないものだと思います。自分なりに「こうなのではないか?」って思いながら情報を整理するのと「さっぱりわからない」と思いながらぐちゃぐちゃと弄り回すのでは答えが出るスピードに雲泥の差があると思います。

例えば今、富士山のジグゾーパズルを組み立てているとします。一つのピースをはめるにあたって、そのピースがどの部分に当てはまるのかを全く考えずに取り組んでいたとしたら、完成までにはとてつもない時間がかかるはずです。しかし、色や形などを考慮しながら"このあたりではないか?"とある程度の方向性を持って組み立てたならば、少なくとも前者の方法よりは効率的に作業は進むはずです。

占い師のしてくれることというのはまさに「答えはこのへんにあるのではないのか?」という仮説をくれることだと思います。その仮説は対話から得られる様々な情報を考慮した上でのものであるためにクライアントも納得感が高い。あたっているか外れているかはこの際あまり大きな問題ではなくて、「考えるという作業を効率的に行う手助けをしてくれている」という事実そのものが既に価値のあることではないかと思います。

その仮説をもらった瞬間から、脳は"つじつまあわせ"に奔走します。その答えに合ったシナリオを書こうとバイアスがかかります。それが答えだとしたら、今までのあんな出来事やあの人のあんな言動・助言にはこんな意味があるのではないだろか?…と、一貫性を持って情報が整理されます。
 
この作業がまさに「検証」なのだと思います。ぐずぐず悩んでいると、こんな風にある方向性を持って情報を整理することが難しくなります。そこで一旦(100%の正解とは限らないが)答えを設定し、そこから逆算する。そのことが建設的な思考のスパイラルに入るきっかけとなるのではないかと。
 
そんなところに占い師の存在する意義の一つの答えがある気がします。
 
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by yokohama-yugakuki | 2005-07-14 22:38 | ⑥Issue


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